概要
住宅に使われている材料は、時間が経過するにつれて、水分・湿気や大気中の汚染物質などの影響を受けて、腐る、錆びるなど、劣化します。
その結果、住宅をそのまま継続して使用することが困難になって、修繕や建替えをすることになります。
この基準は、材料の劣化を軽減する(劣化の進行を遅らせる)ための対策がどの程度手厚く講じられているかを評価するものです。
住宅には、様々な材料が様々な部位に使用されており、部位によって求められる耐用期間が異なるので、これら全てについて総合的に評価を行うことは困難です。
そこで、長期間に渡って建物を支えることが期待される
●構造躯体等に使用される材料の劣化を軽減する対策
を優先的に採り上げることとしました。
このため、比較的、短期間で取り替えることが想定される内装や設備などについては、評価の対象にはなっていません。
性能表示項目の説明
項目は、次のひとつです。
- 3-1劣化対策等級(構造躯体等)
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- 構造躯体に使用する材料の交換等大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するために必要な対策の程度を表示します(等級3〜1)。
- 等級は、たとえば等級3では、通常想定される自然条件及び維持管理条件の下で3世代まで伸長するため必要な対策が講じられているかを示しています。等級2の場合は下線部が2世代となります。(1世代とは25年〜30年です)。
- 等級1は、建築基準法の規定を満たしていることを意味します。
代表的な住宅の構造別にチェックポイントを整理すると次のようになります。
- 木造の場合
- 木材は、腐朽菌によって腐ったり、シロアリに食べられたりして劣化することがあります。木造の場合はこの2種類の劣化を評価します。
- 鉄骨造の場合
- 鋼材は、水や大気中の汚染物質(二酸化硫黄など)によって錆びて劣化します。鉄骨造の場合は錆による劣化を評価します。
- 鉄筋コンクリート造の場合
- 鉄筋コンクリートは、鉄筋のまわりをコンクリートが覆っています。そして、鉄筋コンクリートは、コンクリートがアルカリ性を保っているうちは、鉄筋が錆びませんが、コンクリートが中性化してしまうと錆び、劣化します。また、寒い地域では、コンクリートの水分が凍って膨らみ、コンクリートが傷んだりして劣化します。鉄筋コンクリート造の場合は、この2種類の劣化を評価します。