(1)基礎のうち外部に面する部分
ここでは、基礎コンクリートの劣化によって起こる事象や、放置した場合に不具合を生じることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||||
(1)基礎のうち屋外に面する部分(壁又は柱と異なる仕上げとなっている場合に限る。) | □1 □2 □3 □4 □5 |
仕 上 げ 材 |
□コンクリート直仕上げ | ひび割れ | □ | □ |
欠陥 | □ | □ | ||||
□モルタル仕上げ等 | ひび割れ | □ | □ | |||
欠陥 | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
□その他 [ ] |
[ ] | □ | □ | |||
[ ] | □ | □ | ||||
[ ] | □ | □ |
- コンクリート直仕上げの場合
- 基礎におけるコンクリートのひび割れ・欠損は、不同沈下等の地盤に関わる重大な要因により発生するものから、コンクリートの乾燥収縮等の材料特性による軽微なものまで様々で、その原因を特定することは困難ですが、住宅全体に影響する重要な事象です。
- 著しいひび割れ・欠損は、その部分から空気、水分が浸入し、鉄筋の腐食を発生させる要因となることが予想され、放置するとコンクリート躯体の劣化を促進させるおそれがあります。
- モルタル仕上げ等の場合
- モルタル仕上げ等の塗り仕上げのひび割れ・欠損が、下地の基礎コンクリート部分にまで及ぶ著しいものである場合には、その部分から空気、水分が浸入し、鉄筋の腐食を発生させる要因となることが予想されます。
- また、塗り仕上げ部分が広範囲にわたって剥がれ落ちており、下地の基礎コンクリートが露出している場合は、保護層としての機能を欠いている状態と想定されます。
(2)壁、柱、梁のうち屋外に面する部分
ここでは、壁、柱、梁等の構造躯体の劣化によって起こる事象や放置した場合に壁、柱、梁等の躯体の耐久性を損なわせることが想定される事象、ならびに、転落等の事故の原因となる事象について検査します
- コンクリート直仕上げの場合
- コンクリート外壁のひび割れ・欠損は、経年変化による乾燥収縮、地震等の外力による建物の変形、外部からの局部的な強い衝撃力等により生じるものと考えられます。
- 著しいひび割れ・欠損は、その部分から空気、水分が浸入し、鉄筋の腐食を発生させる要因となることが予想され、放置するとコンクリート躯体の劣化を促進させるおそれがあります。
- モルタル仕上げ等の場合
- モルタル仕上げ等の塗り仕上げのひび割れ・欠損が、下地の躯体にまで及ぶ著しいものである場合には、放置すると雨水の浸入及び躯体の劣化を促進することが想定されます。
- 塗り仕上げ部分がせり上がりを伴って浮いている状態であれば、近い将来に剥がれ落ちる危険のあることが想定されます。
- また、広範囲にわたって剥がれ落ちている状態であれば、下地の劣化を促進するおそれがあると同時に、その周辺の塗り仕上げも剥がれ落ちる可能性があります。
項 目 | 結 果 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||||
(2)壁、柱、基礎(屋外に面する部分が壁又は柱と同一の仕上げとなっている場合に限る。)及び梁のうち屋外に面する部分 | □1 □2 □3 □4 □5 |
仕 上 げ 材 |
□コンクリート直仕上げ | ひび割れ | □ | □ |
欠陥 | □ | □ | ||||
□モルタル仕上げ等 | ひび割れ | □ | □ | |||
欠陥 | □ | □ | ||||
浮き | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
□サイディングボード等 | 割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
腐食(金属であるものに限る) | □ | □ | ||||
□タイル | ひび割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
浮き | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
□その他 [ ] |
[ ] | □ | □ | |||
[ ] | □ | □ | ||||
[ ] | □ | □ | ||||
シーリング材 | 破断 | □ | □ | |||
接着破壊 | □ | □ | ||||
転落防止用手すり □該当する部位なし |
手すりのぐらつき | □ | □ | |||
手すり・支持部分の腐食等 | □ | □ |
- サイディングボード等の場合
- サイディングボード等の板状の仕上げ材は、材質によっては経年変化による乾燥収縮や地震等の外力による建物の変形等により、ひび割れが生じることもありますが、それが直ちに躯体の劣化等の不具合に結びつくとは限りません。
- しかし、仕上げ材の全板幅にわたって割れが生じている場合には、躯体等の劣化よって起きているか、放置した場合に不具合を生じることが想定されます。
- タイルの場合
- モルタル仕上げ等の塗り仕上げと同様に、ひび割れ・欠損が、下地の躯体にまで及ぶ著しいものである場合には、放置すると雨水の浸入及び躯体の劣化を促進することが想定されます。
- タイルがせり上がりを伴って浮いている状態であれば、近い将来に剥がれ落ちる危険のあることが想定されます。
- また、広範囲にわたって剥がれ落ちている場合は、下地の劣化を促進するおそれがあると同時に、その周辺のタイルも剥がれ落ちる可能性があります。
- シーリング材について
- シーリング材の最も基本的な機能は止水です。止水機能を期待している部分のシーリング材に破断等が発生している場合、その部分から裏側に雨水が浸入し、躯体内部への漏水等の不具合が生じる可能性があります。
- 落下防止用の手すりについて
- 手すりのぐらつきは、手すりの支持部の腐食や腐朽、留め付け金具の破損や緩み、手すり支柱等の部材の腐食や腐朽により発生する可能性があります。手すりに著しいぐらつき等がある場合には、転落等の事故が生じる危険性が高いと想定されます。
- また、手すりや手すりを支持する部分に腐食等がある場合には、長期的に放置すると手すり部材の腐食等による膨張や変形が進行し、手すりの支持部分や躯体等のひび割れや欠損を誘発し、躯体の劣化を促進するとともに、ひび割れ・欠損部分が落下する危険性もあります。
(3)屋根
ここでは、放置した場合に雨漏り等の不具合の原因となる事象や屋根材の落下事故等の原因となる事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||||
(3)屋根 | □1 □2 □3 □4 □5 |
□粘土がわら、厚形スレート、住宅屋根用化粧スレート | 割れ | □ | □ | |
欠損 | □ | □ | ||||
ずれ | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
□金属系屋根ふき材(基材が鋼板であるものに限る) | 腐食 | □ | □ | |||
□その他 [ ] |
[ ] | □ | □ | |||
[ ] | □ | □ | ||||
[ ] | □ | □ | ||||
仕 上 げ 材 陸 屋 根 |
□アスファルト防水(保護層を有するものに限る) | □保護層のせり上がり(コンクリートが保護層になっている場合に限る) | □ | □ | ||
□アスファルト防水(保護層を有するものを除く)又は改質アスファルト防水 | 防水層の破断 | □ | □ | |||
□ルーフィングの接合部の剥離(防水層が単層である改質アスファルト防水の場合に限る) | □ | □ | ||||
□シート防水 | 防水層の破断 | □ | □ | |||
シートの接合部の剥離 | □ | □ | ||||
□塗膜防水 | 防水層の破断 | □ | □ | |||
□その他 [ ] |
[ ] | □ | □ | |||
[ ] | □ | □ | ||||
[ ] | □ | □ |
- 粘土がわら、厚形スレート、住宅屋根用化粧スレートの場合
- 仕上げ材の割れや欠損、ずれや剥がれは、これらの事象を放置したとしても、屋根材の下地には下地葺材があるため、直ちに雨漏り等の不具合が生じるわけではありませんが、下地葺材の劣化を促進することになるほか、屋根材の落下等、安全面に問題が生じるおそれがあります。
- これらの事象は、飛来物や屋根上歩行による衝撃により生じることが多く、ずれや剥がれは、台風や地震もその原因になります。
- 金属系屋根ふき材(基材が鋼板であるものに限る)の場合
- 屋根ふき材の腐食により発生した赤錆を放置すると、穴あきに至るおそれがあります。
- アスファルト防水(保護層を有するものに限る)の場合
- 保護層に著しいせり上がりが見られる場合は、この事象を放置したとしても、保護層の下には防水層があるため、直ちに雨漏り等の不具合が生じるわけではありませんが、防水層が保護層の動きにより損傷を受け、時間の経過に伴って、防水層に不具合が生じ、漏水等の被害が発生するおそれがあります。
- アスファルト防水(保護層を有するものを除く)又は改質アスファルト防水の場合
- 防水層の破断やルーフィングの接合部の剥離が見られる場合には、漏水等の被害が生じるおそれがあります。
- 検査時点で漏水が生じていない場合であっても、この事象を放置した場合、長期間にわたり下地の層等の劣化を促進することになります。
- シート防水の場合
- アスファルト防水と同様で、防水層の破断やシートの接合部の剥離が見られる場合には、漏水等の被害が生じるおそれがあります。
- 塗膜防水の場合
- 防水層の破断が見られる場合には、この事象を放置したとしても、保護層の下には下地の層があるため、直ちに雨漏り等の不具合が生じるわけではありませんが、長期間にわたり下地の層等の劣化を促進することになり、漏水等の被害が生じるおそれがあります。
(4)壁、柱及び梁のうち屋内に面する部分(専用部分)
ここでは、壁、柱、梁のうち、屋内に面する部分について、躯体等の劣化によって起こる事象や、放置した場合に不具合を生じることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||||
(4)壁、柱及び梁のうち屋内に面する部分(専用部分) | □1 □2 □3 □4 □5 |
仕 上 げ 材 |
□モルタル仕上げ等 | ひび割れ | □ | □ |
欠損 | □ | □ | ||||
石こうボード等 | 割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
腐食(金属であるものに限る) | □ | □ | ||||
□タイル | ひび割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
□壁紙等 | ひび割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
□その他 [ ] |
[ ] | □ | □ | |||
[ ] | □ | □ | ||||
[ ] | □ | □ | ||||
傾斜(鉄筋コンクリート造等の場合は除く) | □ | □ | ||||
漏水等の跡 | □ | □ |
- モルタル仕上げ等の場合
- 著しいひび割れや欠損が確認された場合には、それらの事象が躯体に原因があるおそれがあるほか、内装材としての機能を欠いている状態であるといえます。
- 石こうボード等の場合
- 一般に、住戸の内壁に使用される板状の仕上げ材にひび割れが生じることは少ないと考えられますが、仕上げ材が全板幅にわたって割れが生じている場合には、躯体等の劣化によって起きている場合や、放置した場合に不具合が生じることが想定されます。
- また、著しい欠損や剥がれにより下地材が露呈しているような状態であれば、明らかに内壁材としての機能を欠いている状態で、放置すると日常生活に支障をきたすことになると想定されます。金属の板状仕上げ材で、腐食(錆)による浸食が著しいものも同様です。
- タイルの場合
- 著しいひび割れや欠損が確認された場合には、内壁材としての機能を欠いている状態で、放置すると日常生活に支障をきたすことになると想定されます。
- 壁紙等の場合
- 壁紙などシート状の仕上げ材のみのひび割れや欠損は、躯体の劣化等に係わる影響はないものと考えられるので、仕上げ材が貼られている下地材を「仕上げ」と想定して、その区分に応じて判断します。
- 傾斜(鉄筋コンクリート造等の部分は除く)について
- 壁や柱の傾斜が6/1000以上の場合は、自然劣化や施工精度を考慮した上でも明らかに注意が必要な傾斜であるといえます。(6/1000以上の場合に、「認められる」と判断されます)
- この事象が確認された場合には、基礎の不同沈下や柱・梁等の構造部材の傾斜等が生じている可能性もあります。
- 漏水等の跡について
- 漏水等の跡が確認されることは、そこに水分が供給されている可能性が高く、周辺部の躯体の劣化を促進させる要因になることが想定できます。
- 漏水等には、雨漏り、結露、給排水設備等からの漏水等が考えられます。
(5)壁、柱及び梁のうち屋内に面する部分(共用部分)
ここでは、マンション等の共同住宅の共用部分の壁、柱、梁のうち、屋内に面する部分について、躯体等の劣化によって起こる事象や、放置した場合に不具合を生じることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||||
(5)壁、柱及び梁のうち屋内に面する部分(共用部分) | □1 □2 □3 □4 □5 |
仕 上 げ 材 |
□コンクリート直仕上げ | ひび割れ | □ | □ |
欠損 | □ | □ | ||||
□モルタル仕上げ等 | ひび割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
浮き | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
□サイディングボード等 | 割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
腐食(金属であるものに限る) | □ | □ | ||||
□タイル | ひび割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
浮き | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
□壁紙等 | ひび割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | □その他 [ ] |
[ ] | □ | □ |
[ ] | □ | □ | ||||
[ ] | □ | □ | ||||
漏水等の跡 | □ | □ |
- コンクリート直仕上げの場合
- コンクリートのひび割れ・欠損は、経年変化による乾燥収縮、地震等の外力による建物の変形、外部からの局部的な強い衝撃力により生じるものと考えられます。
- 著しいひび割れ・欠損は、その部分から空気、水分が浸入し、鉄筋の腐食を発生させる要因となることが予想され、放置すると、コンクリート躯体の劣化を促進させるおそれがあります。
- モルタル仕上げ等の場合
- 著しいひび割れや欠損、剥がれが確認された場合には、それらの事象が躯体に原因があるおそれがあるほか、内装材としての機能を欠いている状態であるといえます。
- サイディングボード等の場合
- 一般に、住戸の内壁に使用される板状の仕上げ材にひび割れが生じることは少ないと考えられますが、仕上げ材が全板幅にわたって割れが生じている場合には、躯体等の劣化によって起きている場合や、放置した場合に不具合が生じることが想定されます。
- また、著しい欠損や剥がれにより下地材が露呈しているような状態であれば、明らかに内壁材としての機能を欠いている状態で、放置すると日常生活に支障をきたすことになると想定されます。金属の板状仕上げ材で、腐食(錆)による浸食が著しいものも同様です。
- タイルの場合
- 著しいひび割れや欠損が確認された場合には、内壁材としての機能を欠いている状態で、放置すると日常生活に支障をきたすことになると想定されます。
- 壁紙等の場合
- シート状の仕上げ材のみのひび割れや欠損は、躯体の劣化等に係わる影響はないものと考えられるので、仕上げ材が貼られている下地材を「仕上げ」と想定して、その区分に応じて判断します。
- 漏水等の跡について
- 漏水等の跡が確認されることは、そこに水分が供給されている可能性が高く、周辺部の躯体の劣化を促進させる要因になることが想定できます。
- 漏水等には、雨漏り、結露、給排水設備等からの漏水等が考えられます。
(6)床(専用部分)
ここでは、床について、躯体等の劣化に起因している事象や、放置した場合に歩行安全面等の不具合を生じることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||||
(6)屋内の床(専用部分) | □1 □2 □3 □4 □5 |
仕 上 げ 材 |
□フローリング等 | 割れ | □ | □ |
欠損 | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
□モルタル仕上げ等 | ひび割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
□その他 [ ] |
[ ] | □ | □ | |||
[ ] | □ | □ | ||||
[ ] | □ | □ | ||||
沈み | □ | □ | ||||
傾斜(鉄筋コンクリート造等の場合は除く) | □ | □ |
- フローリング等の場合
- フローリング等の板状の仕上げ材の著しい割れ、欠損、剥がれは、経年による木質系材料の収縮・膨張の繰りかえしや接着剤の機能低下、外的な衝撃力、漏水等による腐朽等により発生する可能性があります。
- これらの事象は、日常安全性の支障となる可能性が高いうえに、放置すると、床下地材又は躯体を劣化させる要因となるおそれがあります。
- タイルの場合
- 床タイルのひび割れ、欠損、剥がれは、日常安全性の支障となる可能性が高いうえに、放置すると、コンクリート躯体等の劣化を進行させるおそれがあります。
- 沈みについて
- 床沈みがあると、日常安全性の支障となる可能性が高いうえに、放置すると、床下地等の劣化を進行させるおそれがあります。
- 木造の床組などの場合には、水の浸入等により床下地材が腐朽・腐食したり、長期間にわたり想定以上の重量物を載荷させておくこと等により、沈みが発生することがあります。
- 傾斜(鉄筋コンクリート造等の部分は除く)について
- 壁や柱の傾斜が6/1000以上の場合は、自然劣化や施工精度を考慮した上でも注意が必要な傾斜であるといえます。(6/1000以上の場合に、「認められる」と判断されます)
- この事象が確認された場合には、基礎の不同沈下や柱・梁等の構造部材の傾斜等が生じている可能性もあります。
(7)床(共用部分)
ここでは、マンション等の共同住宅の共用部分の床について、躯体等の劣化によって起こる事象や、放置した場合に歩行安全面等の不具合を生じることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||||
(7)床(共用部分) | □1 □2 □3 □4 □5 |
仕 上 げ 材 |
□コンクリート直仕上げ | ひび割れ | □ | □ |
欠損 | □ | □ | ||||
□モルタル仕上げ等 | ひび割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
□タイル | ひび割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
□板状の仕上げ材 | 割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
□その他 [ ] |
[ ] | □ | □ | |||
[ ] | □ | □ | ||||
[ ] | □ | □ |
- コンクリート直仕上げの場合
- コンクリートのひび割れ・欠損は、経年変化による乾燥収縮、地震等の外力による建物の変形、外部からの局部的な強い衝撃力により生じるものと考えられます。
- コンクリートのひび割れ・欠損は、歩行等の日常安全性に支障が生じるおそれがあります。
- また、このような事象を放置すれば、その部分から空気、水分が浸入し、鉄筋の腐食を発生させる要因となることが予想され、コンクリート躯体の劣化を進行させることが想定されます。
- モルタル仕上げ等の場合
- モルタル仕上げ等の塗り仕上げのひび割れ・欠損は、歩行等の日常安全性に支障が生じるおそれがあります。
- また、このような事象を放置すると、コンクリート躯体の劣化を進行させることが想定されます。
- タイルの場合
- 床タイルのひび割れ、欠損、剥がれは、日常安全性に支障となる可能性が高いうえに、放置すると、コンクリート躯体の劣化を進行させるおそれがあります。
- 板状の仕上げ材の場合
- 板状の仕上げ材の著しい割れ、欠損、剥がれは、経年による木質系材料の収縮・膨張の繰りかえしや接着剤の機能低下、外的な衝撃力、漏水等による腐朽等により発生する可能性があります。
- これらの事象は、日常安全性の支障となる可能性が高いうえに、放置すると、床下地材又は躯体の劣化を進行させることが想定されます。
(8)天井(専用部分)
ここでは、天井について、躯体等の劣化によって起こる事象や、放置した場合に不具合を生じることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||||
(8)天井(専用部分) | □1 □2 □3 □4 □5 |
仕 上 げ 材 |
□石こうボード等 | 割れ | □ | □ |
欠損 | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
腐食(金属であるものに限る) | □ | □ | ||||
□壁紙等 | ひび割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
□その他 [ ] |
[ ] | □ | □ | |||
[ ] | □ | □ | ||||
[ ] | □ | □ | ||||
漏水等の跡 | □ | □ |
- 石こうボード等の場合
- 石こうボード等の板状の仕上げ材は、材質によっては経年変化による収縮や地震等の外力等により、ひび割れが発生することがありますが、それが直ちに躯体の劣化等にむすびつくものではありません。
- しかし、仕上げ材が全板幅にわたって割れが生じている場合は、躯体等の劣化によって起きている場合や、放置した場合に不具合が生じることが想定されます。
- また、欠損や剥がれにより下地材が露呈しているような状態であれば、明らかに天井材としての機能を欠いている状態で、放置すると、日常生活に支障をきたすことになると想定されます。
- 壁紙等の場合
- シート状の仕上げ材のみのひび割れや欠損は、躯体の劣化等に係わる影響はないものと考えられるので、仕上げ材が貼られている下地材を「仕上げ」と想定して、その区分に応じて判断します。
- 漏水等の跡について
- 漏水等の跡が確認されることは、そこに水分が供給されている可能性が高く、周辺部の躯体の劣化を促進させる要因になることが想定できます。
- 漏水等には、雨漏り、結露、給排水設備等からの漏水等が考えられます。
(9)天井(共用部分)及び軒裏
ここでは、マンション等の共同住宅の共用部分の天井について、躯体等の劣化にとって起こる事象や、放置した場合に不具合を生じることが想定される事象について検査します。軒裏(バルコニーの上げ裏を含む)も対象としています。
項 目 | 結 果 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||||
(9)天井(共用部分)及び軒裏 | □1 □2 □3 □4 □5 |
仕 上 げ 材 |
□コンクリート直仕上げ | ひび割れ | □ | □ |
欠損 | □ | □ | ||||
□モルタル仕上げ等 | ひび割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
浮き | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
□サイディングボード等 | 割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
剥がれ | □ | □ | ||||
腐食(金属であるものに限る) | □ | □ | ||||
□壁紙等 | ひび割れ割れ | □ | □ | |||
欠損 | □ | □ | ||||
□その他 [ ] |
[ ] | □ | □ | |||
[ ] | □ | □ | ||||
[ ] | □ | □ | ||||
漏水等の跡 | □ | □ |
- コンクリート直仕上げの場合
- コンクリートのひび割れ・欠損は、経年変化による乾燥収縮、地震等の外力による建物の変形、外部からの局部的な強い衝撃力により生じるものと考えられます。
- このような事象を放置すると、その部分から空気、水分が浸入し、鉄筋の腐食を発生させる要因となることが予想され、コンクリート躯体の劣化を進行させるおそれがあります。
- モルタル仕上げ等の場合
- モルタル仕上げ等の塗り仕上げのひび割れ・欠損は、天井材としての機能を欠いている状態といえます。
- モルタル仕上げ等の塗り仕上げがせり上がりも持って浮いている状態であれば、近い将来に剥がれ落ちる危険があります。特に天井面の剥落は大変危険であるため、早急に対応する必要があります。
- また、広範囲に剥がれ落ちている場合であれば、下地材の劣化を促進するおそれがあると同時に、周囲の塗り仕上げ材も剥がれ落ちる可能性があります。
- サイディングボード等の場合
- サイディングボード等の板状の仕上げ材は、経年変化による収縮や地震等の外力等により、ひび割れが発生することがありますが、それが直ちに躯体の劣化等にむすびつくものではありません。しかし、仕上げ材が全板面にわたって割れが生じている場合には、躯体等の劣化により起きている場合もあります。
- また、著しい欠損や剥がれにより下地材が露出しているような状態であれば、明らかに天井材としての機能を欠いた状態といえ、これらの事象を放置した場合には、不具合や使用上の支障を生じることも想定されます。金属の板状仕上げ材で、腐食(錆)による浸食が著しいものも同様です。
- 壁紙等の場合
- シート状の仕上げ材のみのひび割れや欠損は、躯体の劣化等に係わる影響はないものと考えられるので、仕上げ材が貼られている下地材を「仕上げ」と想定して、その区分に応じて判断します。
- 漏水等の跡について
- 漏水等の跡が確認されることは、そこに水分が供給されている可能性が高く、周辺部の躯体の劣化を促進させる要因になることが想定できます。
- 漏水等には、雨漏り、結露、給排水設備等からの漏水等が考えられます。
(10)階段(専用部分)
ここでは、階段について、階段の構造体、踏面、手すり又はこれを支持する部分を対象として、放置した場合に不具合や事故を生じることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | ||||
---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | |||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | |||
(10)階段(専用部分) □該当する部位なし |
□1 □2 □3 □4 □5 |
構造体 | 欠損 | □ | □ |
腐食等 | □ | □ | |||
踏面 | 沈み | □ | □ | ||
欠損 | □ | □ | |||
腐食等 | □ | □ | |||
転落防止用手すり □該当する部位なし |
手すりのぐらつき | □ | □ | ||
手すり・支持部分の腐食等 | □ | □ |
- 構造体について
- 構造体の欠損や腐食は、階段の安全性に大きく影響し、転落等の事故につながるおそれがあります。
- 階段の構造体とは、階段を支持する構造部分で、下表のように、構造種別により部位、劣化事象とも異なります。
構造種別 部位 劣化事象等 鉄筋コンクリート造 階段を支持する柱・梁・壁・床・一体に成型された階段スラブ等 著しい欠損
著しいひび割れ鉄骨造 階段を支持する柱・梁・壁・床等 著しい腐食 木造 階段を支持する柱・梁・壁・床等 著しい腐朽 - 構造体の検査は、上記の構造種別ごとの部位に準じて行います。たとえば、鉄筋コンクリート造の場合、
(4)壁、柱及び梁のうち屋内に面する部分(専用部分)
(6)床(専用部分)
(8)天井(専用部分)
のそれぞれの欠損、ひび割れ事象に準じます。
- 踏面について
- 踏面の沈みは、踏面の腐食等により発生すると想定されますが、日常の階段の昇降に不安を感じさせるほか、思わぬ事故につながることがあります。
- 踏面の欠損は、物品等がぶつかるなどした場合や段鼻部の疲労等により発生すると想定されますが、踏面の沈みと同様、日常の階段の昇降に不安を感じさせるうえに、思わぬ事故につながることがあります。
- 金属系の踏面の腐食(錆)は、錆が発生したからといって直ちに不具合が生じるものではありませんが、錆による浸食が著しく、放置すれば穴あきの状態となると想定されるものは、階段の昇降に支障をきたすことになります。
- 落下防止用の手すりについて
- 手すりのぐらつきは、手すりの支持部の腐食や腐朽、留め付け金具の破損や緩み、手すり支柱等の部材の腐食や腐朽により発生する可能性があります。手すりに著しいぐらつき等がある場合には、転落等の事故が生じる危険性が高いと想定されます。
- また、手すりや手すりを支持する部分に腐食等がある場合には、放置すると、手すり部材の腐食等による膨張や変形が進行し、手すりの支持部分や躯体等のひび割れや欠損を誘発し、躯体の劣化を促進するとともに、ひび割れ・欠損部分が落下する危険性もあります。
(11)階段(共用部分)
ここでは、マンション等の共同住宅の共用部分の階段について、階段の構造体、踏面、手すり又はこれを支持する部分を対象として、放置した場合に不具合や事故を生じることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | ||||
---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | |||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | |||
(11)階段(共用部分) □該当する部位なし |
□1 □2 □3 □4 □5 |
構造体 | 欠損 | □ | □ |
腐食等 | □ | □ | |||
踏面 | 沈み | □ | □ | ||
欠損 | □ | □ | |||
腐食等 | □ | □ | |||
転落防止用手すり □該当する部位なし |
手すりのぐらつき | □ | □ | ||
手すり・支持部分の腐食等 | □ | □ |
- 構造体について
- 構造体の欠損や腐食は、階段の安全性に大きく影響し、転落等の事故につながるおそれがあります。
- 階段の構造体とは、階段を支持する構造部分で、下表のように、構造種別により部位、劣化事象とも異なります。
構造種別 部位 劣化事象等 鉄筋コンクリート造 階段を支持する柱・梁・壁・床・一体に成型された階段スラブ等 著しい欠損
著しいひび割れ鉄骨造 階段を支持する柱・梁・壁・床等 著しい腐食 木造 階段を支持する柱・梁・壁・床等 著しい腐朽 - 構造体の検査は、上表の構造種別ごとの部位に準じて行います。たとえば、鉄筋コンクリート造の場合、
(2)壁、柱、梁及び基礎のうち屋外に面する部分
(5)壁、柱及び梁のうち屋内に面する部分(共用部分)
(7)床(共用部分)
(9)天井(共用部分)
のそれぞれの欠損、ひび割れ事象に準じます。
- 踏面について
- 踏面の沈みは、踏面の腐食等により発生すると想定されますが、日常の階段の昇降に不安を感じさせるほか、思わぬ事故につながることがあります。
- 踏面の欠損は、物品等がぶつかるなどした場合や段鼻部の疲労等により発生すると想定されますが、踏面の沈みと同様、日常の階段の昇降に不安を感じさせるうえに、思わぬ事故につながることがあります。
- 金属系の踏面の腐食(錆)は、錆が発生したからといって直ちに不具合が生じるものではありませんが、錆による浸食が著しく、放置すれば穴あきの状態となると想定されるものは、階段の昇降に支障をきたすことになります。
- 落下防止用の手すりについて
- 手すりのぐらつきは、手すりの支持部の腐食や腐朽、留め付け金具の破損や緩み、手すり支柱等の部材の腐食や腐朽により発生する可能性があります。手すりに著しいぐらつき等がある場合には、転落等の事故が生じる危険性が高いと想定されます。
- また、手すりや手すりを支持する部分に腐食等がある場合には、放置すると、手すり部材の腐食等による膨張や変形が進行し、手すりの支持部分や躯体等のひび割れや欠損を誘発し、躯体の劣化を促進するとともに、ひび割れ・欠損部分が落下する危険性もあります。
(12)バルコニー
ここでは、バルコニーについて、支持部、床、手すり又はこれを支持する部分を対象として、放置した場合に不具合や事故を生じることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||||
(12)バルコニ− □該当する部位なし |
□1 □2 □3 □4 □5 |
直 下 の 状 況 |
□直下が屋内である場合 | 床の防水層の破断 | □ | □ |
□直下が屋内でない場合 | 支持部分の欠損 | □ | □ | |||
支持部分の腐食等 | □ | □ | ||||
床の沈み | □ | □ | ||||
床の欠損 | □ | □ | ||||
床の腐食等 | □ | □ | ||||
転落防止用手すり □該当する部位な |
手すりのぐらつき | □ | □ | |||
手すり・支持部分の腐食等 | □ | □ |
- 床の防水層の破断について
- 直下が屋内である場合は、バルコニーの床は屋上(屋根)と同じ役割をもちますので、床の防水層の破断は、屋内への漏水等の原因になることが想定されます。
- 床の防水層の破断の検査は、(3)屋根における防水層の破断と同じです。
- 支持部分について
- 直下が屋内でない場合は、バルコニーが屋根の上に置かれていたり、地上から支柱等で支持されていて、屋根とは別のものなので、バルコニーを支えている支持部分の欠損や腐食を対象に検査します。
- 支持部分には、木・金属・コンクリート等がありますが、支持部分の腐食等とは、コンクリートの場合は、欠損・ひび割れ、金属の場合は腐食(錆)、木の場合には腐朽を対象とします。
- 支持部分の欠損や腐食等は、バルコニーの安全性に大きく影響し、転落事故等の原因になるおそれもあります。
- 床について
- 床が不安を感じるほど沈む状態では、体のバランスを崩す、転倒する等のおそれがあります。
- 床が金属・木材の場合で、バルコニー床材が欠損や腐食(腐朽)しているような状態では、踏み抜きなどにより、転落・転倒事故等が発生するおそれがあります。
- 落下防止用の手すりについて
- 手すりのぐらつきは、手すりの支持部の腐食や腐朽、留め付け金具の破損や緩み、手すり支柱等の部材の腐食や腐朽により発生する可能性があります。手すりに著しいぐらつき等がある場合には、転落等の事故が生じる危険性が高いと想定されます。
- また、手すりや手すりを支持する部分に腐食等がある場合には、放置すると、手すり部材の腐食等による膨張や変形が進行し、手すりの支持部分や躯体等のひび割れや欠損を誘発し、躯体の劣化を促進するとともに、ひび割れ・欠損部分が落下する危険性もあります。
(13)屋外に面する開口部
ここでは、屋外に面する開口部について、放置した場合に雨水の浸入による建物構造部材の劣化等の不具合を生じさせる、もしくは、手すりの安全性を損なわせることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | ||||
---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | |||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | |||
(13)屋外に面する開口部(雨戸、網戸及び天窓を除く。) | □1 □2 □3 □4 □5 |
建具の周囲の隙間 | □ | □ | |
建具の開閉不良 | □ | □ | |||
転落防止用手すり □該当する部位なし |
手すりのぐらつき | □ | □ | ||
手すり・支持部分の腐食等 | □ | □ |
- 建具の周囲の隙間
- 建具枠と外壁の間に隙間がある場合には、漏水等の被害を生じるおそれが想定されます。
- この事象を放置したとしても、防水紙等の下地が壁体内への水の浸入を押さえ、直ちに不具合が生じるとは限りませんが、長期間にわたる壁体内への雨水の浸入は壁を構成する部材の劣化につながる可能性があります。
- 建具の開閉不良
- 建具の開閉不良がある場合は、そこから雨水が浸入する危険性が高くなります。
- また、通気・換気の調節や日常の通行等にも支障を与えるほか、非常時の避難安全性が確保できない等、思わぬ事故につながるおそれがあります。
- 建具の開閉不良は、建具枠の腐食や腐朽等建具そのものの劣化によって起きている場合と、床・梁等の歪み等、建物の変形に関連して生じる場合があります。
- 落下防止用の手すりについて
- 手すりのぐらつきは、手すりの支持部の腐食や腐朽、留め付け金具の破損や緩み、手すり支柱等の部材の腐食や腐朽により発生する可能性があります。手すりに著しいぐらつき等がある場合には、転落等の事故が生じる危険性が高いと想定されます。
- また、手すりや手すりを支持する部分に腐食等がある場合には、放置すると、手すり部材の腐食等による膨張や変形が進行し、手すりの支持部分や躯体等のひび割れや欠損を誘発し、躯体の劣化を促進するとともに、ひび割れ・欠損部分が落下する危険性もあります。
(14)雨樋
ここでは、屋外・屋内に露出した雨樋(パイプスペース等に隠蔽されているものは除く)について、放置した場合に雨水の浸入による建物構造部材の劣化等の不具合を生じさせることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||
---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||
(14)雨樋 □該当する部位なし |
□1 □2 □3 □4 □5 |
破損 | □ | □ |
- 破損について
- 破損とは、樋の割れ、変形、腐食、樋受け金物の緩み、はずれ、欠損が生じている状態をいいますが、雨樋の材料により想定される事象は異なります。
- 雨樋の破損等により雨水の溢れ出し等が生じている場合には、建物の劣化を促進させるおそれがあります。
(15)土台及び床組
ここでは、木造と鉄骨造における、土台及び床組について、放置した場合に不具合や事故を生じることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||
---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||
(15)土台及び床組 □該当する部位なし |
□1 □2 □3 □4 □5 |
土台及び床組の接合部の割れ(木造のものに限る) | □ | □ |
床組の腐食(鉄骨造のものに限る) | □ | □ |
- 土台及び床組の接合部の割れ(木造のものに限る)について
- 接合部の割れとは、土台と柱の仕口(端部)部分の接合金物等から、土台の構造上問題となる割裂が発生した状態を想定しています(土台と柱の仕口部分は、強風時、地震時に大きな引抜力が生じる構造上重要な部分のひとつです)。
- 床組の腐食(鉄骨造のものに限る)について
- 鉄骨造の場合は、赤さびが全体的に確認された場合が該当します。
(16)小屋組
ここでは、木造と鉄骨造における小屋組について、放置した場合に不具合や事故を生じることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||
---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||
(16)小屋組 □該当する部位なし |
□1 □2 □3 □4 □5 |
雨漏り等の跡 | □ | □ |
小屋組の接合部の割れ(木造のものに限る) | □ | □ | ||
小屋組の腐食(鉄骨造のものに限る) | □ | □ |
- 雨漏り等の跡について
- 雨漏りの跡は、濡れた状態、変色、シミとして発見されます。また、カビや腐朽が発生している場合もあります。
- これらの状態は、雨漏りだけではなく、結露、すがもれ、換気口からの雨水の吹き込み等により水分が供給された場合にも生じます。しかし、小屋組においては、こうした事象の発生は雨漏りである可能性が高いので、腐朽や腐食等が発生していないか特に注意する必要があります。
- 小屋組の腐食(鉄骨造のものに限る)について
- 鉄骨造の場合は、赤さびが全体的に確認された場合が該当します。
(17)給水設備(専用部分)
ここでは、給水設備について、正常に保全され、飲料に適した水を供給していること、ならびに必要とする供給量が確保されていることを確認します。
項 目 | 結 果 | |||
---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||
(17)給水設備(専用部分) □該当する設備なし |
漏水 | □ | □ | |
赤水 | □ | □ | ||
給水流量の不足 | □ | □ |
- 漏水や赤水が生じている場合には、建築物への悪影響や資源の無駄ばかりでなく、物損事故や健康な住環境にも悪影響を及ぼします。
- 専用部分の漏水は、すべての水栓を閉めた状態で、水道メータを確認して行います。
- 台所の水栓を全開にして、10リットルの水を溜めるのに要する時間を計測し、90秒を超えた場合には、流量不足と判断されます。
(18)給水設備(共用部分)
ここでは、マンション等の共同住宅の共用部分の給水設備について、劣化等によって起こるか、放置した場合に、給水設備としての機能に重大な不具合を生じる事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||||
(18)給水設備(共用部分) □該当する設備なし |
漏水 | □ | □ | |||
給水管の腐食 | □ | □ | ||||
受水槽及び給水ポンプ | 本体部分 | 損傷 | □ | □ | ||
腐食 | □ | □ | ||||
支持部分 | 損傷 | □ | □ | |||
腐食 | □ | □ |
- 漏水について
- 漏水が生じている場合には、建築物への悪影響や資源の無駄ばかりでなく、物損事故や健康な住環境にも悪影響を及ぼします。
- パイプスペースやメータボックス内にある給水立て管、共用部分にある横引き管等を検査します。
- 受水槽及び給水ポンプについて
- 本体部分の腐食は、受水槽が、腐食により穴があきそうな状態や多量の浮き錆がある状態等や、給水ポンプの正常な動作に影響するおそれがあります。
(19)排水設備(専用部分)
ここでは、木造と鉄骨造における小屋組について、放置した場合に不具合や事故を生じることが想定される事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||||
(19)排水設備(専用部分) □該当する設備なし |
漏水 | □ | □ | |||
排水の滞留 | □ | □ | ||||
浄化槽 (地上に存する部分に限る) |
本体部分 | 損傷(一戸建ての住宅に限る) | □ | □ | ||
腐食(一戸建ての住宅に限る) | □ | □ | ||||
ばっ気装置 | 作動不良(一戸建ての住宅に限る) | □ | □ |
- 漏水について
- 床下地面の濡れ等、明らかに排水の漏れが確認された場合だけではなく、漏水の跡があり修繕されていない場合は、再度漏水する危険性が高いと考えられます。
- 排水の滞留について
- 配水管の詰まりや配水管の排水勾配の不足等が原因で発生するものと考えられます。
- この事象を放置したとしても、直ちに漏水等の不具合が生じるとは限りませんが、一層排水の流れが悪くなったり、漏水等の不具合につながる危険性があります。
- 浄化槽について
- 浄化槽本体は、通常地下に埋設されているため、地上から目視できる部分に限り、損傷及び腐食の状態を検査します。
- 浄化槽周辺の地盤が全周辺にわたり陥没している場合等は、浄化槽に著しい損傷が生じている危険性があります。
- ばっ気装置の作動不良は、ブロアポンプの作動状態や異常な臭気の発生等により判定します。このような場合には、浄化槽の機能が損なわれるおそれがあります。
(20)排水設備(共用部分)
ここでは、マンション等の共同住宅の共用部分の排水設備について、劣化等によって起こるか、放置した場合に、排水設備としての機能に重大な不具合を生じる事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||||
(20)排水設備(共用部分) □該当する設備なし |
漏水 | □ | □ | |||
排水管の腐食 | □ | □ | ||||
浄化槽 (地上に存する部分に限る) |
本体部分 | 損傷 | □ | □ | ||
腐食 | □ | □ | ||||
ばっ気装置 | 作動不良 | □ | □ |
- 漏水について
- 排水管の継手や接続部分等で、明らかに排水の漏れが確認された場合だけではなく、漏水の跡があり修繕されていない場合は、再度漏水する危険性が高いと考えられます。
- 排水管の腐食について
- 排水管の継手や接続部分等によく見られます。この事象を放置したとしても、直ちに漏水等の不具合が生じるとは限りませんが、一層腐食が進行したり、漏水等の不具合につながる危険性があります。
- 浄化槽について
- 浄化槽本体は、通常地下に埋設されているため、地上から目視できる部分に限り、損傷及び腐食の状態を検査します。
- 浄化槽周辺の地盤が全周辺にわたり陥没している場合などは、浄化槽に著しい損傷が生じている危険性があります。
- ばっ気装置の作動不良は、ブロアポンプの作動状態や異常な臭気の発生などにより判定します。このような場合には、浄化槽の機能が損なわれるおそれがあります。
(21)給湯設備(専用部分)
ここでは、給湯設備について、劣化等によって起こるか、放置した場合に、給湯設備としての機能に重大な不具合を生じる事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||
---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||
(21)給湯設備(専用部分) □該当する設備なし |
漏水 | □ | □ | |
赤水 | □ | □ |
- 漏水や赤水が生じている場合には、建築物への悪影響や資源の無駄ばかりでなく、物損事故や健康な住環境にも悪影響を及ぼします。
- 給湯栓接続部分などからの漏水が観察された場合など、明らかに給水の漏れが確認された場合だけではなく、漏水の痕があり修繕されていない場合は、再度漏水する危険性が高いと考えられます。
(22)給湯設備(共用部分)
ここでは、マンション等の共同住宅の共有部分の給湯設備について、劣化等によって起こるか、放置した場合に、給湯設備としての機能に重大な不具合を生じる事象について検査します。
項 目 | 結 果 | ||||
---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | |||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | |||
(22)給湯設備(共用部分) □該当する設備なし |
漏水 | □ | □ | ||
給湯管 | 腐食 | □ | □ | ||
保温材の脱落 | □ | □ | |||
熱源装置 | 損傷 | □ | □ | ||
腐食 | □ | □ |
- 漏水について
- 漏水が生じている場合には、資源の無駄や建築物への悪影響ばかりでなく、物損事故や健康な住環境にも悪影響を及ぼします。
- 漏水が認められた場合だけではなく、漏水の跡があり修繕されていない場合は、再度漏水する危険性が高いと考えられます。
- 給水管について
- 保温剤表面に錆がしみ出ている、支持金物に錆が発生している等の事象が見られる場合には、給水管に著しい腐食が発生していると判断します。
- 熱源装置について
- 明らかな損傷や腐食が認められる場合は、そのまま放置すると、熱源装置としての機能が損なわれるおそれがあります。
(23)機械換気設備(専用部分)
ここでは、機械換気設備について、劣化等によって起こるか、放置した場合に、機械換気設備としての機能に重大な不具合を生じる事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||
---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||
(23)機械換気設備(専用部分) □該当する設備なし |
作動不良 | □ | □ | |
ダクトの脱落 | □ | □ |
- 作動不良について
- 作動不良が見られるときは、換気能力が低下し機械換気設備の機能が損なわれるおそれがあります。
- スイッチを入れたときの空気の吸い込み状況や機械換気設備異常音の有無、ダンパーシャッター等の作動状態等を確認して行います。
- ダクトの脱落について
- 作動不良と同様、ダクトの脱落が見られる場合には、機械換気設備の機能が損なわれるおそれがあります。
(24)機械換気設備(共用部分)
ここでは、マンション等の共同住宅の共用部分の機械換気設備について、劣化等によって起こるか、放置した場合に、機械換気設備としての機能に重大な不具合を生じる事象について検査します。
項 目 | 結 果 | ||||
---|---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | |||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | |||
(24)換気設備(共用部分) □該当する設備なし |
換気ファンの作動不良 | □ | □ | ||
排気ガラリ | 閉塞 | □ | □ | ||
腐食 | □ | □ |
- 排気ファンの作動不良について
- 作動不良が見られるときは、排気能力が低下し排気設備の機能が損なわれるおそれがあります。
- 排気ファンの異常音や異常な振動等の有無や作動状態等で判断できます。
- 換気ガラリについて
- 閉塞や腐食が見られるときは、排気能力が低下し排気設備の機能が損なわれるおそれがあります。
(25)(1)〜(24)に挙げる部位等
ここでは、(1)から(24)までのすべての部位において、住宅の耐久性・安全性に影響のある、腐朽・蟻害、鉄筋の露出等の事象について検査します。
項 目 | 結 果 | |||
---|---|---|---|---|
部位等 | 表示すべき事象 | 詳細調査又は補修を要する程度の事象 | ||
確認欄 | a.認められない | b.認められる | ||
(25) (1)〜(24)に挙げる部位等 |
・他の部位等の検査を通じて認められる腐朽等、蟻害 (木造の構造部分を有する住宅に限る) (3.特定現況検査を選択している場合は表示しない。) |
□ | □ | |
・他の部位等の検査を通じて認められる鉄筋の露出 (鉄筋コンクリート造等の住宅に限る) |
□ | □ | ||
・その他上記に類する事象[ ] | □ | □ |
- 腐朽等について(木造の構造部分を有する住宅に限る)
- 腐朽とは、いわゆる「腐れ」のことで、腐朽菌により木材組織が侵されることをいいます。変色、変質、破壊等の現象が生じます。
- 腐朽菌が確認されたからといって、内部が乾いており必ずしも深刻な腐朽が生じるわけではない場合、かなり深刻な状況である場合と、経過観察が必要な場合とがあります。
- 心配な場合には、オプションの特定現況検査を受けることができます。評価申請時に希望を伝えると、検査内容を詳細に説明してもらえます。
- 蟻害について(木造の構造部分を有する住宅に限る)
- ここでいう蟻害とは、しろありの蟻道や被害が認められたり、複数のしろありが認められる状態です。
- ただし、蟻道等が発見されたからと言って、蟻害が現在進行中であるとは限りません。
- 心配な場合には、オプションの特定現況検査を受けることができます。評価申請時に希望を伝えると、検査内容を詳細に説明してもらえます。
- 鉄筋の露出について(鉄筋コンクリート構造等の住宅に限る)
- 鉄筋の露出は、鉄筋のかぶり厚さ不足や、コンクリートのひび割れ、欠損等により引き起こされる、劣化度を判断する上で、重要な事象です。
- 鉄筋が露出している状態を放置しておけば、錆の発生がさらに進行し、耐久性・安全性を損なうことになります。