静岡
室内の中心線に添えられた景色は、
薪ストーブによる暖かい焔と庭の植木
ここはモデルルームとオフィスを兼ね備えた空間として、私自身が設計しました。
それで、それならいっそ今できることを全て、さらに試してみたいこともふんだんに取り入れて、自分自身の夢を形にしました。
個人的な好みのコンセプトではありますが、六十代ぐらいになったときコーヒーが似合うような空間…そう考えて、あえて和室をなくし、立体通風でロフトがあり、何よりもリビングに薪ストーブを備えてみました。もちろん好みだけを強調してはモデルルームにはなりませんし、また性能面においても上を求めればきりがなくそれでは際限なく値段も上がってしまいます。実際にお求めになられる購入層に合った最高の設計を意識しました。
お客様で多いのが三十坪より少し大きい建物なので、この家も同程度の坪数でまとめてあり、狭く感じない間取りの工夫をこらしています。吹抜けとロフトがあることで開放感が得られています。
お気に入りはリビング。どの家庭にもあるはずのテレビは設置していません。これは家族皆の視線が薪ストーブの焔と庭の緑にいくことを考えてのことです。テレビを中心にするとソファーの置く方向まで固定されてしまいます。リビングは家族が集い顔を見ながら話ができて食事が楽しめる、そういった空間概念にしています。
他にも建物と庭が生活の中で寄り添うようなコンセプトを取り入れており、庭にはハーブや果実をはじめ様々な植物を植え食用や飲用、薬用などに利用でき、まさに暮らせる庭となっており、生ゴミ処理が可能なコンポストも設置しています。休日は庭にあるハーブを使って皆で料理をしたり、ハーブティーを飲んだりする生活スタイル。家と庭と書いて「家庭」なので、それは切り離せないものだと思います。住宅性能表示制度や長期優良住宅認定制度により維持管理は明確になりますので、安心安全を担保しながら、自信を持ってお客様に家を見て頂いております。
自然をベースに家と庭が一対になった住空間とライフスタイルをご提案していきたいですね。
ギャラリー
施工会社担当者より
性能を担保する公的制度は、
お客様にも工務店にも大きなメリットです
桑原建設 桑原さん
今まで長期優良住宅認定制度は取り組んでいましたが、今回住宅性能表示制度をはじめて取り組み、今後もぜひとも取り組んでいきたい…というより、これは絶対に取り組むべきものであると考えております。第三者の目で見る公的な制度となれば、それだけでお客様に安心を与えることができます。さらに長期優良住宅認定制度を取得すれば維持管理に加え、税制の優遇にもつながりますので、安心にプラス大きなメリットにつながります。
お客様にとってのデメリットと言えばちょっと審査期間がかかるぐらいです。様々な建築のトラブルが発生している昨今、設計も建築もそれぞれにお墨付きが出るこの制度は時代の必然ともいえるものではないでしょうか。お客様にとってだけではなく、私のような中小工務店にとってもメリットは大きく、安心安全と性能の担保は、最終的には自社を守るためにもなります。建築業界の話をすれば、決して甘い状況にはないことは誰にもわかっていることで、他社と差別化できるこんな良い制度があるのに使わないのはもったいないですし、それ以上に、これは住宅建築をするにあたりごく当たり前の手順ではないでしょうか。住宅性能表示制度に取り組みながら、常に前向きに先を見据えた家作りに今後も取り組みたいですね。
最後に、住宅性能表示制度でとくに関心のあるのは維持管理で、そこは本当に重要だと思いますのでしっかりやらせて頂いております。
ポイント
「長期優良住宅」の認定基準のうち、大部分の項目が登録住宅性能評価機関による事前審査が可能なため「住宅性能評価」を併願すると合理的です。また、「住宅性能評価」では4回以上の現場検査があり、併願した場合「住宅かし保険」の現場検査が合理化され費用が軽減されます。